将来の夢が無い人のための学部の選び方・決め方

 もうそろそろ4月も後半に入ります。受験生の皆さんは自分の進路は決まったでしょうか?

 これから受ける模試に、判定してもらう大学名と学部名も書かなければいけませんね。ですが、中にはこういう悩みを持っている人もいるでしょう。

「将来の夢が決まっていないからどの大学を書けばいいかわからないし、何学部に行けばいいかわからない!」

 こういう悩みを抱えている人は少なくないと思います。ですが、悩むことはありません。むしろその悩みは当然なのです!では、なぜその悩みは当然なのか?どうやって決めていったら良いのか?とういうことについて以下から解説していきます。

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学校の先生は口酸っぱく進路を決めろと言う

 皆さんこういう経験はありませんか?

 学校の先生や保護者から「早めに進路を決めなさい」、「将来の夢を持ちなさい」という経験です。

 誰しもが言われたことがあると思います。この記事を書いている私平良も、小学校の卒業式で各々将来の夢を発表するから夢を決めておくようにと言われた記憶があります。その時は、適当に「社長」になるとか言ってました。中学校でも高校でも進路のこと、将来のことについて口酸っぱく問われた経験は皆共通してあることでしょう。

 しかし、実際に私は大学卒業後は大学院に進学し、その後は普通に会社員になりました。周りの大人もだいたいそんなもんです。学校の先生も全員が全員、先生に成りたいという目標を持ってなったわけではありません。学生の頃に掲げた目標の方向性から逸れて今の職業に就いている人なんていくらでもいます。

 なので、心配しないでください。今決めても後で決めてもあなたの未来は大きく変わりません。

決められないのはあなたが悪いわけではありません

 将来の夢を持てないとか、学部を決められないという悩みはあなた自身のせいではありません。大人が悪いのです。

 そもそも職業をほとんど知らないにもかかわらず、「夢を持て!」という言葉は少し理不尽なのです。そして、大人がそのようなキャリア教育を施してくれません。

 さらに、その「夢を持て!」と言っている大人達でさえ、職業の多様性や学問の専門性を知らないのです。例えば、心理学をやりたいと一口に言っても、実は心理学にも色々なジャンルがあるのです。

  • 社会心理学
  • 認知心理学
  • 実験心理学
  • 犯罪心理学
  • 進化心理学
  • etc...

 と上記のように学べる学問は実に多様性に富むのです。学校の先生や進路担当者はそこまで勉強していない人がほとんどです。ちゃんと教えてくれる人がいないんだから、「夢を持て!」と言われても不可能な話ですよね。

 したがって、夢を持てないのは子ども達のせいではありません。きちんとしたキャリア教育を施していない大人達の責任なのです。

学部の選定が将来を左右する!?

 では、次にこういう疑問に対して答えてみたいと思います。

「法学部に行けば法律関係の仕事に就けるのか?」

 答えは、就けます!だけど就けないことの方が多いし、就かないという選択肢を取る人も多くいます。

 そして、進路担当者の先生がよくこういうことも言いますね。

「経済学部に行けば、経済のことが学べて実社会でも活かせるし、就職も良いから経済学部いきなよ」

 間違ったアドバイスでは無いのかもしれません。早く将来の目標を決めなさいと抽象的に指示する指導よりは学部を提示している分、ましだと言えます。

 ですが、あたかも経済学部=就職が良いと述べることや社会でも活かせる的な考えは若干事実と異なる部分があります。このような偏見は経済学部に限らず、すべての学問に共通して蔓延しています。他にも、文学部に行っても金にならないという定説ですね。

 経済学部に進学し4年間一生懸命学んだとしても、経済のプロにはなれません。ニュースで日本経済のことを解説している経済学者やアナリストは大学院の修士・博士までの課程を修了している人たちがほとんどです。会社員時代、経済学部出身の同僚がいましたが、仕事上で経済の知識を活かしてい場面をみたことがありません。経済学自体は、大変重要な学問ですが基礎的な部分は理論がほとんどなので、それを会社の仕事で活かそうと思っても使える知識はあまりありません。もしかしたら、経済指標や国の財政事情などには敏感になるかもしれないというぐらいなのです。経済学部は企業との親和性が高いため、就職は良いかもしれませんが、結局就職するにあたっては本人の実力次第なとこがあります。

 つまり、学部を選んだ段階で未来が決定するわけでなはないし、その学問の専門の道へ行ける人もほんの一握りだということですね。冒頭で述べた法学部行けば法律関係の仕事に就けるのか?という疑問に対しても同様の答えですね。また、大学で学んだことことを社会で活かせる学問は、文系ではほとんど無いです。理系であれば、医療系の学部や工学部などは十分に将来に活かせると思いますが、文系では一部とてつもない勉強量をこなした人以外は使えないと把握していおいて差し支えないでしょう。

 生きる道は、どの大学どの学部に入っても結局自分で決めるしかないのです。先生達によるアドバイスの論理によって将来は決まらないので、ゆっくり学部選定して構わないと思います。昔ながらの定説(文学部に行っても金にならない等)は、現代ではそうでもありません。文学部出身でも銀行に就職することはできるし、政治家にだってなれると思います。自分の興味・関心のある学部を選びましょう。

結局、どこを選んだら良いか?

 将来性ではなく自分の興味・関心のある学部を選びましょうと言いました。そう面談すると、次のような返答が帰ってくることが多いです。「だったら心理学もやりたいし、英語も学びたい、何なら理系も少し触ってみたい」という贅沢な悩みを打ち出すのです。

 しかし、この悩みも当然です。まだ10代の内では知っている知識も限定され、それぞれの学問が一体どんなことをするのかどういう風に面白いのか知らないのは当然であるため、あれもこれも興味があるというのは、むしろ健全だと言えます。そして、そういう学生は将来の目標も定まっていないという悩みとセット関係です。

 そこで、私からそんな学生達におすすめな学部があります。それは、「教養学部です。頭に「国際」がつくことも多いです。ほかにも「国際総合科学部」や「リベラルアーツ学部」などと名付けられている学部もあります。

リベラルアーツという選択

 教養学部は、特定の学問の枠にとらわれず、人文科学・社会科学・自然科学の複数の学問分野を横断的に学ぶことのできる学部です。要は、「全部学べるよ」ってことです!大学によってはカバーしていない分野もありますが、特に人文科学・社会科学系の学問はおおよそ学べるといっても差し支えないでしょう。

※ちなみに、人文科学とは歴史学・心理学・考古学・哲学・文学などの【人】を対象にした学問のことで、社会科学は経済学・政治学・社会学・法学など【社会】を対象にした学問のことです。自然科学は理系全般と捉えてもらえればいいです。

 例として、山口大学国際総合科学部のカリキュラムに関する文言の一部抜粋を載せておきます。

グローバル人材として必要な幅広い知識を得る為、哲学・倫理・政治・文化から科学・環境・情報・統計まで多岐に渡って学び、その知識を活用する能力を身につけます。

山口大学 国際総合科学部 カリキュラムに関する文言一部抜粋

というように、とりあえず幅広く学べるのです。また、先程も述べましたが頭の方に「国際」と名がつくことが多いです。したがって、英語もかなり鍛えられます。紹介した山口大学は留学が必須であり、卒業要件にTOIEC730点が課されます。どの大学に教養学部が存在しているかについては、また別の投稿で紹介致します。

 この学部であれば、色んな勉強をしたいという学生の悩みも、まだやりたいことが定まっていない学生の悩みも解決することができます。大学入学後に、様々な学問に触れる中でより追求していきたいことを見つけても遅くはないのです。極端なとこだと、東京大学は学類によって募集が行われ、1年生から2年生の前期までは教養を学びます。その後、その学類の中から希望の学部学科を選ぶシステムになっているのです。その方が学部学科のミスマッチも起きづらいです。また、卒業するまでの4年間、専門を決めないという大学もあります。

 この提案に対し、「保護者から専門知識を身に着けないで大丈夫なのでしょうか?」という質問を受けます。その問いに対しては、先述しているように大学の4年間では専門知識はそんなに身につかないので、特に心配ありませんと回答します。本当に専門知識を活かした仕事に就きたいとなると、大学院までの進学が必須になるのです。

 これからの時代は語学+教養+問題解決能力のある人材が求められます。そのような時代にマッチングした学部といえるのです。もちろん、専門知識も不要というわけではなく、あくまでまだはっきりとした目標が決まっていない人は、教養学部の方が適性はあるでしょうし、やりたいことが明確な人は専門の学部の方が適性はあります。次の機会に、どんな大学で教養学部が設置されているのかについてご紹介致します。ここまで読んで頂きありがとうございます。