こんばんは、PARADIGM代表さときです!
今回のタイトルは「小学校プログラミング教育とは?その概要について解説!」です。
本日、以下のようなTweetをしました。
小学生の子どもをもつ保護者の皆さんは、2020年より「学習指導要領」が改訂され、小学校にてプログラミング教育が実施されるのをご存知でしょうか?
このことについては、以下の記事でも紹介しています。
そもそも「プログラミング」という言葉自体聞き慣れない人も多いことでしょう。
このプログラミング教育を、子どものことだけとは思ってはいけません!
子どもが社会のニーズに沿ったスキルをいち早く身につけ、これからの時代に適応できるよう保護者の方々も十分に理解し、保護者から何かしてあげられることはないかをつい追求することが大事なのです!!
そこで、今回は小学校におけるプログラミング教育が一体どのようなものになるのか?今のうちからどういった対策をしていけば良いのか?ということについて解説します!
Contents
プログラミングとは何か?
そもそもプログラミングって一体何なのか?という疑問を持っている方も多いでしょう。
その疑問は当たり前です。
これまでの義務教育、高等教育も課程でプログラミングに携わることはなく、大学の工学部や専門学校を通った人ぐらいしかプログラミングに携わる機会が無かったからです。
つまり、専門の領域であり、普通の一般市民は知らなくて当然という認識は間違っていません。
しかし、テクノロジーが発達し、「IT」や「web」、「ロボット」、「AI」、「VR」などという技術が人類の中で普遍的になりつつある世の中では、一般市民もある程度の知識を持っておかないと社会に適応できないという時代が到来しつつあるのです。
文部科学省は、そういった時代の流れに子ども達が取り残されないように、小学校の内から教育しましょう!という目的を持っているんですね。
さて、プログラミングとは以下のように示すことができます。
コンピュータプログラムを作成することにより、人間の意図した処理を行うようにコンピュータに指示を与える行為である。
Wikipediaより
これだけでは、わからないという人もいると思います。
要は、コンピュータ独自の「言語」を入力して、こう動いてほしいという指示を出すということなのです。
例えば、何かのホームページを見ていて画像が勝手に動いたりする現象は、プログラミング言語によって指示された結果なのです。
他にもロボットに、目の前の人が右腕を上げたら右腕を上げて、という指示を出す行為をプログラミングというのです。
小学校プログラミング教育が目指すところ
とりあえず、プログラミングというものが何となく理解できたかとは思います。
では、そのプログラミングを小学生に教えることで、どういった成長が望まれるのでしょうか?
必修化されるポイント
文部科学省が公表しているプログラミング教育の在り方を以下のようなポイントでまとめました。
・人工知能などの台頭による第4次産業革命で社会の在り方が変わるため、そのような社会が求める人材を育てる学校教育も変わる必要がある
・身近な生活で使われるコンピュータ(自販機やロボット掃除)は「魔法の箱」ではなく、科学技術が詰まっていることを理解する
・特定のプログラミング言語でのコーディング(プログラムを書く・作ること)を覚えることを目的としない
特に最後の3つ目が重要で、プログラム教育とは謳っていますが、実は実際にプログラミングを行うわけではないんですね。
つまり、プログラマー育成を目的としているわけではありません。
ここを知っておかないと、子どもに間違った教育を施してしまうことになります。
では、文部科学省が志しているプログラミング教育とは何か?
それは、「プログラミング的思考」を育成することを主目的としているのです!
プログラミング的思考とは?
文部科学省は「プログラミング的思考」について以下のように述べています。
自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組み合わせが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組み合わせをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力
出典:文部科学省資料http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/05/21/1416331_001.pdf
例えば、プログラミングは、太字にするコードと色をつけるコードを組み合わせたりして、よりよいデザインへと導くことができます。
文部科学省の言う、どのような動きの組み合わせが必要で、どのように組み合わせたらいいか、という考えと合致すると思います。
もう少し違う言い方をすると、子どもたちがコンピュータを活用しながら、その考え方や機能が社会にどう役立つかを紐付けて考えられるようになる力です。
プログラミング的思考は体験を通して養っていく
文部科学省によるとプログラミング的思考力は、「体験」を通して身につけていくことを目指しているようです!
これはこれまでの体験学習と変わらないので理解しやすいですよね!
例えば、田んぼで田植えをする農業体験、虫取りなどして生物の研究体験など、保護者の皆様でも経験したしたことはあると思います。
実際に教育の現場でコンピュータに触れてみたり、考えたりする授業が設けられると考えられます。

学校教育現場での実例
以下では学校教育現場での実例を紹介します。
このブログでは2例のみ紹介しますが、一般社団法人みんなのコードが監修してつくった『先生のための小学生プログラミング教室がよくわかる本』では、かなりわかりやすく、ビジュアル的にいくつか例を紹介しているので、そちらの本を参照してみても良いと思います。
小6総合「地域の課題を解決するアプリを設計しよう」
2018年の10月15日と11月5日の2回、戸田市立戸田東小学校にて、地域の課題を解決するアプリを設計するための授業支援を行われています。
この授業では、実際に子どもたちが考えた地域の課題を分解し、分解した課題をアプリ設計しみよう!という授業です。
実際に、プログラムを組むのではなく、児童達自らが「地図」「検索」「ものを買う」「音楽をきく」「ビデオを見る」「コミュニケーションする」などの発案を行い、アプリの画面の設計を書いてみたりしてアプリ開発を体験しています。
地域の課題を自ら発案するというプロセスは素晴らしいですね。論理的思考能力だけでなく、課題解決能力も同時に養えそうな有意義な授業です。
小2算数「かけ算の文章問題名人をめざして」
2018年10月30日と11月30日の2回、明星学苑・明星小学校にて、2年生かけ算の学習でプログラミングを使った授業を行われました。
この授業ではかけ算の式の意味を絵に描き、それをプログラム教材に代入することで、式の意味がビジュアルで表現され、かけられる数とかける数の概念がわかるような授業内容となっています。
算数の授業の中で、上手くプログラミング教育が導入された事例であり、普通の算数の勉強よりも、言葉として理解できる仕組みなっているため、表現力などが磨かれます。
まとめ
以上、プログラミング教育の大まかな内容について解説しました。
保護者の皆様は、ある程度その中身が理解できたかと思います。
重要なのは
- プログラミングそのものの技術を習得するわけではない
- プログラミングがどんなものかを知ることが大事
- 体験的な活動からプログラミング的思考を養う
ということです。
このような情報が無ければ、不必要に子どもにプログラミングを教え込んでいた可能性がありますよね。
しかし、今大事なのはプログラミングを知ることと、それに関わる思考力を養うことなのです。