こんばんは!PARADIGM宮城です。
本日のタイトルは「【単元別】数学の勉強法―二次関数編―」です。
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二次関数とは!?
中学では3年生に学ぶ単元です。特に中学生のころは、y=という形で頂点が(0,0)を通るような単調なものでした。
それでも最大、最小を扱う場合、苦戦した生徒は少なくないと思います。
高校生では、高校1年生のころに学びます。
中学と大きく異なる点は頂点が(0,0)ではないということです。
さらに頂点が変動する問題も出題されるため、中学との難易度の差はかなり大きいものとなっています。
高校生内においても、この単元は、高校1年生で学ぶからといって難易度が低いわけではありません。
難易度は数学の中でもかなり高いほうになると思います。計算量も多く、理解が必要な単元です。ほかの単元にも頻繁に関与してくるので必ず習熟できるよう頑張りましょう。
二次関数で出題される問題パターン
レベル1 頂点など二次関数が変動しないパターン
(1)y = x2 + 2x + 3 の最大・最小を求めよ。など、係数が全部定数のパターンの問題です。
二次関数を解くうえで最も大切な前提知識は平方完成です。まだ平方完成ができていないという生徒は必ずできるようにしましょう。
(2)y = x2 + 2x + 3 の解の個数を調べよ。
判別式Dを覚えているかという問題です。
レベル2 頂点など二次関数が変動するパターン(基礎)
(1)y = x2 + 2x + a の解の個数を調べよ。
判別式Dを利用しますが、そのあと、aの値によってDの範囲が変わってくるという問題です。
不等式の考え方が必要になるので、できない人は不等式の復習を丁寧に行いましょう。
(2)すべてのxにおいて、x2 + 2x + a > 0が成り立つようなaの範囲を求めよ。
この問題も実際のところ判別式の問題と差がありません。
全てのxに関して上記の不等式がなりたつ⇔判別式 D < 0が成り立つ
という考えを身につけましょう。
レベル3 頂点など二次関数が変動するパターン(応用)
こちらは入試に頻出です。しかし、解けない生徒が多くいます。その理由は一見するとかなり複雑に見えるからです。
しっかりと対策を行うと気づきますが、パターンがかなり少なく、解法を暗記していれば難しい問題ではありません。数学を得意にしたい人は必ず覚えておきしょう。
(1)y = x2 + ax + b において、
① 2解が全て正になる
② 2解が全て負になる
③ 解が正、負の両方をもつ
などといった問題です。
これらの問題は初見では解くことが難しいでしょう。解き方を覚え、2回目では必ず解けるようにしましょう。
① 解が全て正になる⇔ ( i ) 判別式D > 0、 ( ii ) 軸 > 0、 ( iii ) f ( 0 ) > 0 をすぐに思いつくかがカギとなります。
② 解が全て負になる⇔ ( i ) 判別式D > 0、 ( ii ) 軸 < 0 、 ( iii ) f ( 0 ) > 0 が解法のカギです。
③ 解が正、負の両方をもつ⇔ f ( 0 ) < 0 です。
以上の3パターンをすぐに出せるよう何度も繰り返し練習を行いましょう。
(2)y = x2 + ax + b において、2 ≦ x ≦ 4 における最大・最小を求めよ。
①最大値
( i ) 軸 ≦ 3 のとき、最大値 f ( 4 ) となります。
( ii ) 軸 > 3 のとき、最大値 f ( 2 ) となります。
②最小値
( i ) 軸 ≦ 2 のとき、最小値 f ( 2 )
( ii ) 2 ≦ 軸 ≦ 4 のとき、最小値 f ( 軸 )
( iii ) 4 ≦ 軸 のとき、最小値 f ( 4 )
以上のように3種類の場合分けを行います。
上記のパターンの問題を即答できるようになれば、二次関数は十分です。
これらは頻出ですが正答率も低いです。しかし、数字が変わっただけで解き方はほとんど同じです。例題を丸暗記し、正答できるようにしていきましょう。
二次関数の具体的な勉強法
二次関数を勉強するうえで最も必要な基礎知識は、平方完成です。
まずは平方完成をできるようにしていきましょう。
平方完成の中でも難易度の差があります。以下の問題を解いてみましょう。
(1)y = x2 + 2x + 3
(2)y = 2x2 + 4x + 3
(3)y = x2 + 2ax + 3
(4)y = ax2 + 2bx
解答
(1) y = x2 + 2x + 3 =( x+1 )2 + 2
(2)y = 2x2 + 4x + 3= 2( x+1 )2 + 1
(3)y = x2 + 2ax + 3=(x+a)2 −a2 + 3
(4)y = ax2 + 2bx= a( x+b/a )2 − b2/a
平方完成の中でも係数が定数のパターンは簡単だと思いますが、文字が含まれたパターンがセンター試験や二次試験で多く出題されます。
以上の4つのパターンができれば基本的に平方完成はできるはずなのでしっかり練習を行いましょう。
平方完成ができた人はさきほど述べた、二次関数で出題されるパターンをしっかり理解し、解法を覚えましょう。
レベル1 (1)y = x2 + 2x + 3の最大・最小を求めよ
まずはすぐに平方完成を行います。
(1) y = x2 + 2x + 3 =( x+1 )2 + 2
以上より、この二次関数の頂点が(−1、2)となり下に凸の二次関数であることがわかります。
そのため、答えは
最大値なし
最小値 x = −1 のとき、2となります。
変動しない二次関数の最大、最小問題はすぐに平方完成を行いましょう。
レベル1 (2)y = x2 + 2x + 3 の解の個数について
判別式 D = b2 − 4ac を調べ、
D > 0のとき、解の個数2個
D = 0のとき、解の個数1個
D < 0のとき、解の個数0個
ということがしっかり暗記できていれば、
D = 4 − 4 × 1 × 3 = −8 < 0より、解の個数0個となる。
レベル2 (1)y = x2 + 2x + a の解の個数を調べよ
こちらもレベル1同様、判別式を使います。
D > 0のとき、解の個数2個
D = 0のとき、解の個数1個
D < 0のとき、解の個数0個 という知識を利用し、
D = 4 -4a > 0のとき、2個
D = 4 -4a = 0のとき、1個
D = 4 -4a < 0のとき、0個となります。
解の個数と言われたら判別式!!というように覚えていきましょう。
レベル2 (2)すべてのxにおいて、x2 + 2x + a > 0 が成り立つようなaの範囲を求めよ
この問題も解の個数の問題です。
詳述はしませんが、解の個数を直接聞かず、解の個数を実際には聞いている問題があるので、複数の問題パターンを覚えてすぐに判別式Dがでてくるようにしましょう。
レベル3
変動する二次関数において、解の問題では、3つの条件、(i)判別式D、(ii)軸、(iii)値の代入f(a)を調べる必要があると覚えましょう。
(1)y = x2 + ax + b において、
①2解が全て正になる
②2解が全て負になる
③解が正、負の両方をもつ
①2解が全て正になる⇔ D > 0、軸 > 0、f(0) > 0
②2解が全て負になる⇔D > 0、軸 < 0、f(0) > 0
③解が正、負の両方をもつ ⇔ f(0) < 0
この3種類は数字を変えて様々なパターンで出題されます。しかし、常に解法は変わらないので、この3つを必ず覚えましょう。
変動する二次関数において、最大、最小を求める問題では、2つの条件、(i)軸、(ii)代入した値f(a)の二つが必要になります。
(2)y = x2 + ax + b において、2≦x≦4における最大・最小を求めよ。
最大
(i) 軸≦3のとき、最大値f(4)
(ii) 軸>3のとき、最大値f(2)
最小
(i) 軸≦2のとき、最小値f(2)
(ii) 2≦軸≦4のとき、最小値f(軸)
(iii) 4≦軸のとき、最小値f(4)
最大値の場合は2つ、最小値の場合は3つの場合分けになります。
これを即答できるようにしましょう。
二次関数を勉強する上でおすすめの参考書
まずはチャートIAです。
こちらは様々な問題がのっているので、こちらの1冊を購入し、すべての単元に使用できます。
類題も多いので、応用力がない、という生徒におすすめです。たくさんのパターンをといて慣れていきましょう。
難関大を志望する生徒には『駿台受験シリーズ 数学 関数』がおすすめです。
二次関数だけではなく他の関数ものっており、かなり深く書いてあるので、最難関大までカバーできると思います。
まとめ
二次関数という単元はほかの単元にも大きく関与します。
しかし、一見難しいと思われがちな二次関数の問題もパターン数が少なく、暗記をしっかり行えば単純な計算で解くことができます。
勉強量>理解の単元なので、しっかり頑張っていきましょう。