今回のテーマは、「年をとると記憶力が下がるのは間違い!?」です。
大学生や社会人になると、勉強を辞めてしまう人は多いです。
しかし、実は若い時よりもあなたの記憶力は上がっているかもしれないのです。
Contents
年齢差によって記憶力の優劣はありません
もの忘れが激しくなると、自分も年をとったなと思うことはありませんか。
実は近年、年齢を重ねても記憶力は低下しないということが明らかになっているのです。
米タフツ大学のアヤナ・トーマス博士は以下の実験によってある程度の確証を得たみたいです。
18~22歳の若者と60~74歳の年輩者を複数人集め、単語リストを見て、どの単語が記憶した元のリストにあったかを言い当てる実験テストを行った。
池谷裕二(2001)「脳科学の劇的進歩でわかった「年をとると記憶力が落ちる」は迷信」エコノミスト 79(24), 70-71, 2001-06-05,毎日新聞社より要約及び引用
試験前に「この記憶試験では、通常、高齢者のほうが成績は悪い」と説明したところ、若者の正解率は約50%、年輩者で約30%だった。しかし、「これはただの心理学の試験である」として、記憶力への言及を避けると、同じ試験にもかかわらず、若者・年輩者ともに約50%で差が出なかった。
以上の実験から分かるように、本来であれば年齢差によって記憶力の優劣は無いに等しいにもかかわらず、年齢を重ねると記憶力が低下するという思い込みこそが、実際に記憶力を低下させる原因になっているといえるのです。
むしろ記憶力は上がっているかもしれない
年齢差によって記憶力の差は無いと先に述べました。
むしろ、上がっている可能性すらあるのです。それはなぜか?
結論から言うと、記憶する仕組みの中でも最も忘れにくい仕組みである「経験記憶」が年をとる毎に発達するためです。
記憶の仕組みにはいくつかパターンがあります。人の名前や英単語などの単純に覚えていく「知識記憶」、自転車の乗り方を体で覚える「方法記憶」など。
特にその中でも「経験記憶」という記憶はかなり定着のしやすい記憶になります。
「彼女にフラれた」や「先輩に怒られた」という経験は中々忘れない上、年をとるほど積み上げていきます。
「知識記憶」は一時的ですが、「経験記憶」は長期的に保存されるのです。
この経験記憶を活かせば膨大な暗記量も覚えることができるようになるのです。
経験記憶をどう活かせばいい?
経験記憶を活かすには、以下の方法が有効です。
- 体験を通して学ぶ
- 学んだことを使う
- 学んだことを人に話す
学んだことを以上のように“経験”するのです。
例えば英単語を英会話を体験して覚える、覚えた英単語を日常的に使用する、覚えた内容を友人に教えるなど。そのように経験した記憶は脳が中々忘れません。
10代の受験生や若者の英単語の覚え方は、単語帳を見て一つひとつ単純暗記すると思います。これが「知識記憶」ですね。
その覚え方とは異なることがわかると思います。
大学生や社会人になると覚えたことを使ったり人に話す場面は多いと思います。
そして、それは年を重ねるごとに積み上げられていくのです。
したがって、若い時よりも年をとった今の方が柔軟な記憶の方法が身についていつかもしれません。
大学生や社会人だからこそ勉強を継続すべき
冒頭でも述べましたが、高校卒業後あるいは大学受験終了後に【勉強】という行為を辞めてしまう人は多いです。
世間一般的に勉強は高校生までという認識があることは否めません。
しかし、大学生になると今までやらされていた勉強から、自分がやりたい勉強をできる環境になったはずです。
しかも、義務教育や高校の時と比べて時間にはかなりの余裕があります。
長い人生の中でも最も余裕のある時期に学ぶことを忘れてしまうのは、大変な機会損失だと思うのです。
社会人は、大学生よりも勉強する時間は短いと思います。
ですが、大学生と決定的に違うのは「資金」があることです。
大学生だと、どうしても低賃金のアルバイト等でしかお金を稼げませんが、社会人は時間が無い分、お金に多少なり余裕があるはずです。そのお金で教材を買ったり、セミナーに参加したりすることができます。
この記事で紹介してきたように、年を取るにつれてむしろ賢くなってきているし、記憶力が上がっている(正確には上手く記憶できるようになっている)はずなので、勉強しないことは本当にもったいないです。
勉強を続けることは、自分自身の人生を豊かにする唯一の方法なのです。
じゃあ、どんな勉強をしたらいいのかについては、また後日記事を書こうと思いますが、ぱっと思いつくものを下に列挙しておきます。
- プログラミング→副業や就職・転職に繋がる可能性
- 営業や接客で使える心理学の勉強→自身の業績に繋がる
- 公務員試験→公務員という安定的な職業に就ける
結論
大学生、社会人になると勉強という行為を辞めてしまう人は多いと思います。
しかし、せっかく色んなことを“経験“してきたのですから、自分の知識・経験を活かしさらなる成長を望みましょう!